ジャンルを超越した Come Away With Me/Norah Jones

穏やかで優しいジャンルにとらわれない歌
春の雨と秋の夜長をホイップした
懐かしい映画を見ているような
“Norah Jones “という新しい音楽

僕の青春時代のBGMは間違いなくノラ・ジョーンズの『Come Away With Me』であった。

特に静かな雨の夜にひとりでこのアルバムを聴きながら目を閉じると、曲とともに様々な思い出が蘇る。

「ジャズなんか聞いてるんだね」
「ジャズ?ノラ・ジョーンズはジャズじゃないよ」
「タワレコでもジャズのコーナーに置いてあるわよ」
「いや、カントリーやフォークの要素もあるし、ポップスとも捉えられる」

初めて家に彼女を招いた時も、精一杯のお洒落をと思いノラのこのアルバムをかけて、その音楽について語り合った。

22歳の天才ミュージシャンが世に送り出したアルバムはそれほどセンセーショナルで衝撃的だったし、いままでの僕らの常識を覆すのような音楽だったのだ。

あれから10年以上の歳月が流れ、ノラ・ジョーンズは11枚のアルバムを発表し、僕の音楽に対する素養もそれなりに増えたはずだが、ジャンルは何か?の問いについては未だに断定できない。

ノラ・ジョーンズは様々な要素をふくんだ、捉えようがなく、でも確かに訴えかけてくる、独立した”Norah Josns”というジャンルの音楽なのだろう。

グラミー賞8部門受賞
1979年3月30日ニューヨーク・シティ生まれ。テキサス育ち。

北テキサス大学時代に友達の誘いでマンハッタンに旅行したとき、「音楽が私を引き留めたの。帰る気にはなれなかったの」と1ヶ月の予定の旅行から大学へ戻らず、ウエイトレスをしながらマンハッタンで出会ったミュージシャン達に刺激を受け、自分の曲を作っていく。

2001年1月、世界最高峰のレーベルであるBlue Noteと契約した。レギュラー・グループは、ノラ・ジョーンズのボーカル、キーボードのほか、ジェシー・ハリスのギター、リー・アレキサンダーのベース、ダン・ライザーのドラムの4人。本盤はノラのBlue Noteデビュー盤。

ノラ・ジョーンズはシタールの巨匠でありインド音楽の伝説ラヴィ・シャンカールの娘。親譲りなのか、弾き語りの映像を見てもノラのピアノ等の演奏力は明らかである。

本作は「第45回グラミー賞」8部門に輝く2002年度を代表する作品となった。

「アーバン・カントリー」な魅力と、ジャズの持つ自由な可能性を癒合したもっとも21世紀的な歌手、ノラ・ジョーンズ、デビュー盤にして最高傑作!?


Released: 2/26/2002
Recorded:; Sorcerer Sound, New York City; Allaire Studios, Shokan
Genre:pop,country,blues,jazz,folk
Length 45:03
Label:Blue Note

おすすめ曲
1,2,13

Track Listing:
1.Don’t Know Why
2.Seven Years
3.Cold Cold Heart
4.Feelin’ the Same Way
5.Come Away With Me
6.Shoot the Moon
7.Turn Me On
8.Lonestar
9.I’ve Got to See You Again
10.Painter Song
11.One Flight Down
12.Nightingale
13.The Long Day Is Over
14.The Nearness of You

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